一般社団法人

日本口腔検査学会

―  Japanese Society for Evidence and the Dental Professional  ―

 ◆ 理事長からごあいさつ

   理事長   福本 雅彦

 皆様におかれましては昨年年明け以来続くコロナ禍において様々な場面で大変ご苦労されておられることと拝察いたすとともに、日々の困難に立ち向かわれておられる会員の皆様に敬意を表します。

 現下のSARS-COV-2による感染症が猛威を振るう中、マスコミ報道などで連日のように「検査」という言葉を耳にします。現代医療における「検査」は診断、治療効果の判定や経過観察のためのツールとして不可欠な存在であります。ストレス社会や超高齢社会の渦中の我が国の有病者率は、今後ますます上昇することが予想されます。そのような中で、医療を受ける側のニーズは「はやく確実に治してもらいたい!」言い換えれば「高い質の医療を受けたい!」となります。他方、医療を提供する側は「最良の結果を得られる医療を安心・安全な状況で提供したい!」これを言い換えると「高い質の医療を提供したい!」となります。すなわち医療を受ける側も提供する側も「高い質の医療」に関して思いは一緒です。このようなことを鑑みると、各種検査の実施により受診者の状況を把握することは、安心・安全な医療の提供、ひいては医療の質の確保に大きな助けとなります。

 翻って医療・歯科医療における「検査」の立ち位置を確認しますと、縦割りされた診療科のような単独科目の存在ではなく、各診療科の中央に位置し、すべての診療科と繋がり、時には診療科を横に紡ぐ存在であると考えます。 また、各種検査のデータは医師、 歯科医師。看護師はもとより介護士や管理栄養士など医療に携わる、職種を超えた共通言語であると認識しています。歯科医療従事者が共通言語を理解できなければ医療の現場から置き去りにされてしまいます。一方で、口腔領域の検査が全身状態の把握にも有用であることに関して歯科領域以外の関連職種従事者への理解が進んでいないのも現状です。このような観点から本学会は歯科領域の各種学会はもとより、他関連職種の学会、更には各企業との連携を積極的に推進し歯科医療における各種検査の必要性、重要性を社会に発信する活動を強化していく方針です。この活動が活発化するにより国民の健康維持・増進に寄与できるものと信じます。

 新型コロナウイルス感染症の収束まで、まだしばらくの時間を要すると思われます。皆様におかれましてはくれぐれもご自愛いただき、ご健勝とご発展を祈念いたします。

◆ 組織図